わたしが社会人になったのは20歳の時だった。
あの時は音楽を作っていて、それで暮らしたいと本気で考えていた。
それがわたしの夢だった。憧れだった。
でも、とりあえず仕事をしないと生活ができないし、就職した。
最初こそは夢:仕事は8:2ぐらいの配分だったけど、
いつの間にか2:8になって、ついには作曲もしなくなっていた。
夢を追うっていうのは、その道筋を見失わないこと、
努力をし続けること、他人や環境のせいにしないこと。と思う。
そんな夢を見失ったわたしが、新社会人が歩むキャリアのヒントになる。
そう確信している映画、【プラダを着た悪魔】を紹介する。
プラダを着た悪魔から学ぶ、「自己理解」と「評価」
夢と現実のギャップをどう埋めるか

まず、断っておきたいのが、
夢をかなえられないからダメとか、夢をかなえたからイイではない。
結論を先に書くと、あなたが生きやすいようにして生きろ。ということだ。
この映画の物語を少しだけ紹介する。
【プラダを着た悪魔】は大学を卒業したばかりのアンディが、
憧れの仕事とは違うファッション誌「ランウェイ」での仕事に挑む物語。
アンディは恋人のネイトとアパートに住んでいる。
生活費がなくライターになる夢につなげるため、その場しのぎで就職する。
しかし、その場しのぎの職場は一筋縄ではいかない。
「ランウェイ」はファッションに魅了された人々、誰もが憧れる職場。
その職場の頂点に君臨するのがミランダだ。
ミランダは冷徹で完璧を求める性格、彼女の指示や要求はすべて「YES」。
つねに周囲にプレッシャーを与え続ける。
アンディは軽い気持ちで仕事をしていたが、あらゆる挫折と苦悩と涙を流すことになる。
だが、持ち前の行動力と洞察力、「ランウェイ」の活気と職場の仲間たちのおかげで、
ミランダはアンディを認めはじめ、アンディもミランダを理解しだす。
仕事に打ち込むほどアンディは評価されていくが、友人関係やネイトとはギクシャクしていく…。
新社会人の心境とアンディの成長

アンディは新社会人の心境によく似ている。
多くの人が自分の夢や憧れをもって社会に出るが、その夢がかなうことはほとんどない。
ましてや、希望している職場に入れる新社会人なんてごくわずかだろう。
かなっていたら多くの会社は倒産しているし、死んだ魚の目をした人も少ない。
だけどそんなに心配しなくていい。
あなたが希望した会社でなくても、アンディのようによく考えて、行動して、
仕事を覚える努力をやめなければ、意外と悪くないことに気がつくはずだ。
安定して給料はもらえるし、生活にも困らないはずだ。
頑張って昇進すれば贅沢なディナーだってありつける。
ただし、ここには他人に評価されていることが前提となる。
他人に評価されることを嫌ったりするのは論外だ。
いやらしい話、気に入ってもらえ。ということ。
(ゴマすり上手になれということではない。)
雇われているからには、上司の指示には従わなければならない。
評価されることに対して努力は必須だ。
法律に触れるプレッシャーは論外だが、仕事の責任はある。
分かるよ!めんどくさいし。ムカつくよね。分かる!
でもさ、会社ってどこにいってもこんなもなんだよ。
嫌だったら自分を変える以外に方法はない。
ミランダの視点から考える「評価」とは

ぜひ「プラダを着た悪魔」を観てほしいからあんまりネタバレはしたくない。
ただ少しだけ内容に触れると、アンディがたどる物語と結末は、
じつは1年たっていないことがのちに分かる。
すごい激動の1年。濃厚すぎるほど濃厚。
さて、ミランダはファッションにおいて頂点であり、カリスマであり、
彼女の話す言葉はすべて正しい!とまでも言わせる超ハイスぺ女だ。
そんな誰もが憧れ、恐れる彼女だが、
ミランダに憧れていない人もいる。ということにミランダは気づかなかった。
ミランダはアンディのことをわかっている、知っている。と思っていたが、
本当は何もわかっていなかったのだ。
それを念頭に考えると、ミランダしかり、
他人は他人の見方でしかあなた(アンディ)を評価しない。
ということに気づけるはずだ。
では、彼女はなにをもってして、アンディを信頼に足る人間だと思ったのだろう。
なにを評価していたのだろう。
それは、誰よりもアンディには自己理解があったから、
自分という核を持っているからだとわたしは思う。
アンディの視点から考える自分の生きる目的

ではアンディはなにを考えながら約1年を仕事に打ち込んだのだろう。
なりたくてもなれない、ファッション業界のトップに入社、
周りはアンディのことをうらやましいと感じるが、
彼女にとってはまるで関心がない分野、
ミランダの存在もただ冷酷でわがままな女としか思っていなかったはずだ。
そんなある日アンディはあまりにも過酷な仕事内容と、中傷によって傷つく。
アンディは、のちに業界の知恵袋として、
彼女の支えになってくれるナイジェルに涙をながしながら訴える。
「わたしは頑張っている!」
だが、ナイジェルは答える「なにを?」と。
そして「きみは頑張ってなどいない」と言い放つ。
それからのアンディはみるみる成長をとげていく、
業界を学び、興味のないファッションにも磨きをかけ、
次に何をするべきか、どう対処するべきか、
業界に染まっていくことで、友人や恋人から変わってしまったと評価され、
業界からはミランダの右腕として評価されていく。
アンディは私生活がうまくいかなくなったことをナイジェルに相談する場面がある。
とても印象的な、そして真理を得るシーンでもある。
物語のラスト、アンディは自分が本当はなにがしたいのか、ハッキリと分かる。
そして、自己実現のためになにが必要なのか見つめなおす。
他人の評価と自己理解のバランス

わたしたち人間は他人に評価されることで、自分の存在を認識している。
これは哲学者や心理学者によって論じられていきました。
サルトル、ミード、ラカン。
一方ででニーチェのように
「他者の評価に囚われてはいけない、幸福は自分の内側に存在する」とする立場もある。
アンディは最初ミランダや同僚の評価によって自分を変えていこうとするけど、
自分自身の価値観、自己理解をすることによって、
アンディ自身がどうしたいのか見つめなおすストーリーだった。
誰かからの評価や、みんなが憧れる仕事だからと、
自分以外のモノに対して価値をみいだしてしまうと、
自分の価値がおろそかになってしまうのではないか。と思う。
アンディは自分のこれからどうするか、自分はどう生きていくのか、という、
確かな自分の価値に気づいたからこそ、ラストの行動につながる。
ミランダにとってのアンディは、誰がなにを求めていることを理解している、
そしてそれ以上のモノを提供できる、そんなアンディを自分と重ねて評価していた。
まとめ『プラダを着た悪魔』が教えてくれること
【プラダを着た悪魔】は新人社員がこれからどうやってスキルアップをするのか、
どうやったら会社や、上司に評価されるのか、勉強になる作品。
そしてなにより、もしもアンディのように夢や憧れ、
本当にやりたかったことがあるのなら、
他人の憧れや評価なんて気にせず、自分の信じた道を突き進むことの大切さも学べる。
素敵な映画だった。
(もちろん、つなぎで入ったおかげで、アンディは成長を遂げたから、
無意味な時間ではまったくなかった。)
まだ【プラダを着た悪魔】をみてない人は一度みてほしい。
そして一度みた人も、再確認のためにもう一度みてほしい。
こんな感じでおわりです。
コメント